公法

◎

　次のアからエまでの各訴訟について，それぞれ行政事件訴訟法第４条の「公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟」に分類される場合には１を，そうでない場合には２を選びなさい。

ア

　薬局の開設を登録制から許可制に改めた薬事法の改正が憲法に違反するとして，旧法に基づく登録をして薬局を開設していた者が，国を被告として提起する，新法に基づく許可を受けなくても薬局の開設ができる権利があることの確認を求める訴訟

イ

　土地収用法に基づく収用委員会の権利取得裁決が無効であることを前提として，従前の土地所有者が，起業者を被告として提起する，当該土地の所有権を有することの確認を求める訴訟

ウ

　出生の届出をしたが，出生による国籍取得の要件を満たさないとして戸籍に登載されなかった者が，国を被告として提起する，日本国籍を有することの確認を求める訴訟

エ

　ある特許に無効事由があるとして特許無効審判の請求をしたが，同請求は成立しないとの審決を受けた者が，同審判の被請求人である特許権者を被告として提起する，同審決の取消しを求める訴訟

　　正解　　　１　　２　　１　　２

　（参照条文）特許法
第123条　特許が次の各号のいずれかに該当するときは，その特許を無効にすることについて特許無効審判を請求することができる。（以下略）
一～八（略）
2～4 （略）
第178条　審決に対する訴え（中略）は，東京高等裁判所の専属管轄とする。
2～6 （略）
第179条　前条第1項の訴えにおいては，特許庁長官を被告としなければならない。ただし，特許無効審判（中略）の審決に対するものにあつては，その審判（中略）の請求人又は被請求人を被告としなければならない。　　　

◎	次のアからエまでの各訴訟について，それぞれ行政事件訴訟法第４条の「公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟」に分類される場合には１を，そうでない場合には２を選びなさい。 (2036) 【実質的当事者訴訟】　* ** 　行政事件訴訟法４条の「公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟」とは，いわゆる実質的当事者訴訟である。実質的当事者訴訟の例としては，行政主体に対する損失補償請求，公務員の俸給・手当等の請求，公務員等の地位確認，国籍の確認等の訴えがあげられ，法令あるいは行政処分の無効を前提とする公法上の法律関係の確認訴訟なども考えられる。* ** 　*
ア	薬局の開設を登録制から許可制に改めた薬事法の改正が憲法に違反するとして，旧法に基づく登録をして薬局を開設していた者が，国を被告として提起する，新法に基づく許可を受けなくても薬局の開設ができる権利があることの確認を求める訴訟分離される。 (2036A) 《》　薬局の開設を登録制から許可制に改めた薬事法の改正が憲法に違反するとして，旧法に基づく登録をして薬局を開設していた者が，国を被告として提起する，新法に基づく許可を受けなくても薬局の開設ができる権利があることの確認を求める訴訟 (2036A) 《》 ※←　（憲法条）。薬局の開設を登録制から許可制に改めた薬事法の改正が憲法に違反するとして，旧法に基づく登録をして薬局を開設していた者が，国を被告として提起する，新法に基づく許可を受けなくても薬局の開設ができる権利があることの確認を求める訴訟（最大判昭41.7.20参照）は，実質的当事者訴訟に分類される。
イ	土地収用法に基づく収用委員会の権利取得裁決が無効であることを前提として，従前の土地所有者が，起業者を被告として提起する，当該土地の所有権を有することの確認を求める訴訟分離されない。 (2036B) 《》　土地収用法に基づく収用委員会の権利取得裁決が無効であることを前提として，従前の土地所有者が，起業者を被告として提起する，当該土地の所有権を有することの確認を求める訴訟 (2036B) 《》 ※←　（憲法条）。上地収用法に基づく収用委員会の権利取得裁決が無効であることを前提として，従前の卜｡圸所有者が，起業者を被告として提起する，当該土地の所有権を有することの確認を求める訴訟は，「公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟」には当たらず，実質的当事者訴訟に分類されない。
ウ	出生の届出をしたが，出生による国籍取得の要件を満たさないとして戸籍に登載されなかった者が，国を被告として提起する，日本国籍を有することの確認を求める訴訟分離される。 (2036C) 《》　出生の届出をしたが，出生による国籍取得の要件を満たさないとして戸籍に登載されなかった者が，国を被告として提起する，日本国籍を有することの確認を求める訴訟 (2036C) 《》 ※←　（憲法条）。出生の届出をしたが，出生による国籍取得の要件を満たさないとして戸籍に登載されなか（た占が，国を被告として提起する，日本国籍を有することの確認を求める訴訟（最判平9.10.17参照）は，実質的当事者訴訟に分類される。
エ	ある特許に無効事由があるとして特許無効審判の請求をしたが，同請求は成立しないとの審決を受けた者が，同審判の被請求人である特許権者を被告として提起する，同審決の取消しを求める訴訟分離されない。 (2036D) 《》　ある特許に無効事由があるとして特許無効審判の請求をしたが，同請求は成立しないとの審決を受けた者が，同審判の被請求人である特許権者を被告として提起する，同審決の取消しを求める訴訟 (2036D) 《》 ※←　（憲法条）。ある特許に無効事由があるとして特許無効審判の請求をしたが，同請求は成立しないとの審決を受けた者が，同審判の被請求人である特許権者を被告として提起する，同審決の取消しを求める訴訟は，「公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟」には当たらず，実質的当事者訴訟に分類されない。
	正解　　　１　　２　　１　　２
	（参照条文）特許法第123条　特許が次の各号のいずれかに該当するときは，その特許を無効にすることについて特許無効審判を請求することができる。（以下略）一～八（略） 2～4 （略）第178条　審決に対する訴え（中略）は，東京高等裁判所の専属管轄とする。 2～6 （略）第179条　前条第1項の訴えにおいては，特許庁長官を被告としなければならない。ただし，特許無効審判（中略）の審決に対するものにあつては，その審判（中略）の請求人又は被請求人を被告としなければならない。