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(1920A) 《批准書の交換》
※←　（憲法条）。条約の締結は，交渉に引き続く当事者国の署名によって直ちに成立する場合と，その後の批准書の交換により成立する場合とがある。したがって，条約の締結に，必ずしも署名の他に批准書の交換・寄託を要するわけではない。

(1920B) 《国会の承認》
※←　（憲法条）。締結について国会の承認を要する条約は，広く国家間の合意をいい，条約，協約，協定，議定書，憲章など名称のいかんを問わない。ただし，国家間の合意であっても，既存の条約を執行するために必要な技術的・細目的な協定等は，憲法73条３号の条約にはあたらず，同条２号により内閣限りで処理することが許され，必ずしも国会の承認を得る必要はない。

(1920C) 《両院協議会》
※←　（憲法条）。条約締結の国会承認については，61条の準用する60条２項によって，衆議院の優越が認められており，両議院か異なる議決をした場合で，両院協議会を開いても意見が一致しないときは，衆議院の議決が国会の議決となる。参議院で衆議院と異なった議決をした場合には，両院協議会を必ず開かねばならず，衆議院は両院協議会の開催を拒むことはできない。国会法88条も「−の議院から両院協議会を求められたときは，他の議院は，これを拒むことかできない」と規定している。

(1920D) 《公布》
※←　（憲法条）。７条１号の「公布」とは，既に成立した国法形式を広く国民一般に知らせるために表示する行為をいい，７条１号に列挙された憲法，法律，政令及び条約は，公布された後にはじめて効力を発し，施行される。公布が法令の施行の要件とされるのは，法令の適用を受ける国民一般に知らせる手続をとることが，施行の前提として望ましいからである。したがって，条約の公布は事実上内容を周知させるために行われるに過ぎず，施行とは無関係であるとはいえない。

(1920D) 《私人の立場》
※←　（憲法条）。98条２頷にいう「日本国が締結した条約」とは，広く日本国と外国との間の文書による合意をいうが，日本国と外国との間の合意であっても，両当事者が純然たる私人の立場で結んだもの，たとえば，日本国が外国の国有の土地を賃借する契約のごときものは，同条項にいう「条約」に含まれないと解される。