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(2125A) 《》
※←　（憲法条）。判例（最判平16.1.20)は，法人税法の規定する質問又は検査の権限の行使に当たって，「取得収集される証拠資料が後に犯則事件の証拠として利用されることが想定できたとしても，そのことによって直ちに，上記質問又は検査の権限が犯則事件の調査あるいは捜査のための手段として行使されたことにはならないというべき」と判示し，行政調査によって得られた資料が犯則調査や刑事手続において利用されることは必ずしも排除されないという考え方を示した。

(2125B) 《》
※←　（憲法条）。判例（最判昭63.3.31)は，収税官吏が犯則嫌疑者に対し，国税犯則取締法に基づく調査を行った場合に，課税庁が当該調査により収集された資料を当該犯則嫌疑者に対する課税処分を行うために利用することは許される旨判示している。犯則調査によって得られた資料をもとに課税処分を行うことは，刑事手続に準ずる慎重な手続を経て収集された情報を利用するということであるから，手続的に特段の問題はなく許容されるのである。

(2125C) 《》
※←　（憲法条）。行政調査に際して相手方の抵抗を排して実力の行使をするには法律の根拠が必要である。もっとも，法律の根拠があるからといって，当然に法律が実力の行使を認めているということにはならない。国税犯則取締法は，相手方への質問調査権や，領置権限，書類等の検査権限を規定しているが，事柄の性質上，当然に実力の行使が認められるものではない。