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(2114A) 《最高裁判所規則》
※←　（憲法条）。最高裁判所規則制定権（憲法§77−I）は，国会による立法以外の実質的意味の立法は原則として許されないとする，国会中心立法の原則の憲法上の例外といえる。もっとも法律との関係につき,一憲法77条１項に列挙された事項については必ず最高裁判所規則で定めなければならないとする見解は，今日ではほとんど採用されておらず，法律で定めることもできるとする見解が通説であり，判例（最判昭30.4.22)も同様の見解を採っている。なお，「裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項」は，規則で独自に定めることに最も適した事項であるといえるから，上記見解によっても，法律の介入はなるべく控えられるべきであると考えられている。

(2114B) 《栄典制度》
※←　（憲法条）。41条にいう「立法」を，国民に義務を課しあるいは権利を制限する法規範の定立と解すれば，栄典はそれを授与された者に利益を与えるにすぎないことから，栄典制度を政令で定めても違憲とはいえないと考えることができる。なお，政府は, 1955年１月，「栄典を授与するというのは，相手方に利益を与えるというものであって，別に相手方の権利，利益を拘束するものではないから，国会を通過した法律の形式をとらなくてもよい」として，戦前の褒章条例を政令で改正している。

(2114C) 《住民投票》
※←　（憲法条）。国会が国の唯一の立法機関であることは，国会による立法は，原則として国会以外の機関の参与を必要としないで成立すること（国会単独立法の原則）を意味する。そして，地方自治特別法の制定にあたって，当該法律が適用される地方公共団体の住民の過半数の同意を要求する憲法95条は，かかる原則の例外といえる。もっとも，何が特別法となるかの基準は明確ではないが，一般に，地方公共団体の本質にかかわるような不平等・不利益な特例を設けるような内容の法律を指すと考えられており，当該地方公共団体の住民の権利義務に直接影響がある場合に限られているわけではない。

(2114D) 《各省庁の組織の細部》
※←　（憲法条）。行政組織に関する規定が法律事項であるかどうかについては，一般的に法律と政令の競合事項でありいずれの法形式を用いてもよいと考えられている。したがって，国の行政組織の基本は法律で定めるべきであるが，各省庁の組織の細部については政令で定めることができると解することも可能といえる。