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(2121A) 《》
※←　（憲法条）。国民に義務を課したり，国民の権利を制限する侵害的な行政作用については法律の根拠が必要であるが，今日の立法実務においては，そうでないものは法律の根拠を要しないとする侵害留保説が支配的であり，かかる侵害留保説を前提として，国の補助金については，個別の法律において根拠規範が置かれているものもあるが，根拠規範なしに予算措置によってなされる補助も多い。「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」という一般法は，国の補助金支給のための一般的根拠規範ではなく，国が補助金を支給できることを前提として，交付の方法や交付を受けた事業の監督方法等について定めた一般的手続規範である。

(2121B) 《》
※←　（憲法条）。厚生労働省設置法は，どのような行政機関を設けるか，行政事務を各行政機関にいかに配分するか，各行政機関の組織をいかに定めるか等を内容とする組織規範である。組織規範からは直ちに厚生労働大臣の強制隔離の権限が導かれるわけではなく，同法４条４号や19号に規定される事務を，他の行政機関でなく，厚生労働省に委ねることを示すにすぎない。

(2121C) 《》
※←　（憲法条）。判例（最判昭35.3.31 ・行政百選I No.9)は，租税滞納処分により国が土地を差し押さえた事案につき，民法177条の適用を肯定した。滞納処分であっても民事法における強制執行手続と同じ扱いをすべさとの解釈をしたものと解される。

(2121D) 《》
※←　（憲法条）。行政規則は，行政の内部的定めにすぎないため，法律による行政の原理は及ばず，行政規則であれば，基本的に行政機関は法律の根拠なくして自由に定めることができる。