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(2330A) 《》
※←　（憲法条）。取消訴訟の係争中に行政過程が進行して既成事実が積み重ねられ，取消判決が出ても原状回復が事実上困難になることが予想される場合がある。このような場合について，判例（最判平4.1.24）は，「土地改良事業が完了して原状回復が困難になったとしても，それは事情判決（行政事件訴訟法31条）の問題となるのであり，その事業の施行認可処分の取消しを求める法律上の利益を消滅させるものではない」としている。

(2330B) 《》
※←　（憲法条）。判例（最判平8.7.12)は，退去強制令書発付処分を受けた者が，退去強制令書の執行により本邦外に送還された後１年が経過した場合における当該処分の取消しを求める訴えの利益について，「原審の適法に確定したところによれば，上告人は出入国管理及び難民認定法〔平成16年法律第73号による改正前〕24条１号に該当して発付された退去強制令書の執行により本邦外に送還されてから既に１年が経過したというのであり，同法５条１項９号の規定により本邦への上陸を拒否されることもなくなったのであるから，もはや右退去強制令書発付処分の取消しにより回復すべき法律上の利益は何ら存在せず，右処分の取消しを求める訴えの利益は失われたとした原審の判断は，正当として是認することができる］としていることからすると，本邦への上陸拒否期間が経過するまでは，退去強制令書発布処分の取消しにより回復すべき法律上の利益が存在すると解することができる。

(2330C) 《》
※←　（憲法条）。判例（最判平5.9.10)は，都市計画法に基づく開発許可の取消訴訟において，係争の開発行為に関する工事が完了し，当該公示の検査済証が交付された後においては，取消しを求める訴えの利益は消滅するとした。その理由は，都市計画法に基づく開発許可は，開発行為を適法に行うことができるという法的効果を有するにすぎないからである。