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(2314A) 《国籍を有する者》
※←　（憲法条）。判例（最判平7.2.28）は，憲法15条１項は国民主権の原理に基づき公務員の終局的任免権が国民に存することを表明したものだとした土で，国民とは［日本国民すなわち我が国の国籍を有する者を意味することは明らかである］とした。

(2314B) 《国家権力》
※←　（憲法条）。主権の概念は多義的であるが，�@国政についての最高決定権，�A国家権力の属性としての最高独立性のほかに�B国家の統治権，すなわち国家権力そのものを意味する場合もある。憲法９条では「国権の発動たる戦争」という表現が用いられているが，これは戦争が伝統的に主権国家の権利として考えられてきたことをふまえた表現であり，ここでいう国権とは国家権力そのものを意味すると解されている。憲法41条は国会が「国権の最高機関」であるとしているが，ここでいう国権も国家権力そのものを意味すると解されている。

(2314C) 《国民投票》
※←　（憲法条）。憲法は国民主権をその原理の一つとして採用している（前文，§１）。国民主権とは国民に国政の最高決定権が帰属することを意味するのだから，国民がその代表者を選定する選挙制度は民主主義の根幹を成すものといえる。また，憲法改正が国民投票による国民の承認によって成立するということ（§96）は国民主権の具体化であるということができる。もっとも，国民主権という概念からただちに公職選挙法が定める選挙権者の要件が導かれるわけではないから，憲法改正における投票権者の要件を公職選挙法が定める選挙権者の要件と異なって定める法律がただちに違憲になるわけではない。なお，現行法上，公職選挙法９条は20歳以上の者に選挙権を与えているのに対し，日本国憲法の改正手続に関する法律３条は18歳以上の者に投票権を与えている。