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(2322A) 《》
※←　（憲法条）。判例（最判昭30.12.26)は，「行政処分は，たとえ違法であっても，その違法が重大かつ明白で当該処分を当然無効ならしめるものと認むべき場合を除いては，適法に取り消されない限り完全にその効力を有する」として，公定力を認めている。

(2322B) 《》
※←　（憲法条）。行政行為が適法に成立した後，公益上の理由が生ずるなど後発的な事情の変化により当該行為を維持することが必ずしも適当でなくなった場合にこれを無効とすることを，撤回という。行政行為の撤回に法律の根拠が必要か否かにつき，通説は，撤回は行政行為の合目的性の回復であり，特別の法的根拠は不要としている。また，判例（最判昭63.6.17 ・行政百選I Na91, 実子あっせん医師事件判決）も，実子あっせんを行った医師に対する旧優生保護法に基づく指定の撤回の可否について，撤回によって当該医師が被る不利益を考慮しても，指定を撤回すべき公益上の必要性が高いとして，法律の明文の規定がなくても撤回が可能であると判示した。

(2322C) 《》
※←　（憲法条）。判例（最判平12.4.11）は，特許の無効審決が確定する以前であっても，特許権侵害訴訟を審理する裁判所は，特許に無効理由が存在することが明らかであるか否かについて判断することができるとした。なお，判例は，これに続けて，特許に無効理由が存在することが明らかである場合には，その特許権に基づく差止めまたは損害賠償等の請求は権利濫用にあたり許されないとしている。

(2322D) 《》
※←　（憲法条）。一度行った行政行為について，処分庁が自ら変更できない効力を不可変更力という。不可変更力は，争訟裁断的性質をもつ行政行為である審査請求に対する裁決ついても認められる。判例（最判昭29.1.21）は，「農地委員会の裁決について，実質的には法律上の争訟を裁判するもので，これを行政機関がするために行政処分に属するわけであり，かかる性質を有する裁決は他の一般行政処分とは異なり，特別の規定がない限り，裁決庁自らが取り消すことはできない」としている。