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(2406A) 《患者の強制隔離》
※←　（憲法条）。特定の病気の患者等が，当人の保護と社会衛生上の見地から，その居住・移転を制限され，強制入院・隔離される場合があり，伝染病予防法７条では［伝染病予防上必要卜認ムルトキ］に制限できるものとされているが，かかる制限は放置した場合に生ずる害悪発生の蓋然性が高く，規制の緊急性と必要性を認めるに足りるものであるとして，合憲と解されている（野中ほか・憲法1 442頁）。　このように強制的に隔離することが法律上認められ，しかもかかる制約は身体に対する直接的な規制といえるので，正しい。

(2406B) 《届出義務》
※←　（憲法条）。転出入の際に市町村長への届出義務を課することは，届出を義務付ける点で住民に対する直接的な強制ではあるが，居住・移転の自由におけるプライバシー権の側面についてはあくまで届出をしたことによって居住・移転が知られ，居住・移転の自由が制約されるという点で間接的な制約にすぎないといえる。また，このような義務を課することによって住民は行政からのサービス等の利便を受けられ，住民の利便の増進に役立つものといえるのに対し，住民には単に届出を義務付けるだけで制約は小さいといえるため，制約を償うに足りる公共の利益が認めれられるといえる。よって，このような制約は許されるといえるので，正しい。

(2406C) 《転入届》
※←　（憲法条）。判例（最判平15･ 6 ･26）は，「所論は，地域の秩序が破壊され住民の生命や身体の安全が害される危険性が高度に認められるような特別の事情がある場合には，転入届を受理しないことが許される旨をいうが，実定法上の根拠を欠く主張といわざるを得ない」とする。このように判例は，市町村が地域の秩序が破壊され国民の生命や身体の安全が害される危険性が高度に認められる場合でも，転入届を受理しないことは許されないとしている。