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(2411A) 《普通教育を受けさせる義務》
※←　（憲法条）。憲法26条２項前段の「普通教育を受けさせる義務」は，１項の教育を受けさせる権利を実質化させるものである。子どもにとっての普通教育を受ける権利は，親権者にとっては普通教育を受けさせる義務であり，また国家にとっては義務教育制度の整備義務であるという関係にある（野中はか・憲法1 494頁）。このように，２項前段は１項を実質化させるためのものであり，子どもに普通教育を受ける権利はあるものの，子ども自身に教育を受ける義務を負わせるものではない。

(2411B) 《勤労の義務》
※←　（憲法条）。憲法27条１項は「すべて国民は，勤労の権利を有し，義務を負ふ」と定めている。この義務の内容は，一般的に慟く能力のある者は自らの勤労によってその生活を維持すべきだということであって，それ以上に国家が国民に対して勤労を強制するようなことの法的根拠にはならないと解されている。このように，憲法27条Ｉ項を根拠に国家が国民に対して勤労を強制することはできないので，法律の定めにより，刑罰をもって勤労を強制することは許されないといえる。

(2411C) 《納税の義務》
※←　（憲法条）。憲法30条は，「国民は，法律の定めるところにより，納税の義務を負ふ」と定め，この義務は，国民主権国家においては，国民の納める税金によってのみ国家の財政が維持され，国家の存立と国政の運営が可能となることからして，国民の当然の義務と解されている。この義務の具体化は法律の定めるところにより」行われ，憲法84条の租税法律主義の趣旨が，ここに重ねて述べられている。このように，憲法30条は，国民としての当然の義務を確認するとともに，その義務の具体化には法律の定めが必要であるとしている。