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(2519A) 《二重の基準》
※←　（憲法条）。判例は，最大判昭47・11・22），最大判昭50・ 4 ・30）において，二重の基準論を採用している。しかし，表現の自由に対する間接的付随的規制が問題となった猿払事件（最判昭49.11.6）において，合理的関連性の基準ないし合理性の基準を採用しており，厳格な審査を及ぼしていない。したがって，間接的付随的制約の合憲性の判断についても厳格な審査を及ぼしているという点て，誤りである。

(2519B) 《民主政の過程》
※←　（憲法条）。二重の基準論の根拠としては，�@民主的な政治過程論と�A裁判所の能力に着目した論拠が挙げられる。�@においては、精神的自由に関する規制の場合は，民主的な政治過程それ自体が侵害されているおそれがあるので，裁判所が積極的に介入しなければならないが，経済的自由に関する規制の場合は，民主的な政治過程が正常に傚能しているので，裁判所は介入すべきでないとされる。�Aにおいては，経済の日常的な舵取りまで行うようになった現代の積極国家においては，経済的自由について社会経済政策に基づく制約が許されるが，社会経済に関する資料収集や分析評価に適しているのは，裁判所ではなく内閣と議会からなる政治部門であり，それゆえ経済的自由の規制については政治部門の判断を尊重すべきとされる。

(2519C) 《立法事実》
※←　（憲法条）。立法事実とは，法律の必要性を根拠付ける社会的，経済的な事実である。そして，職業選択の自由に関する（最判昭47.11.22），（最判昭50.4.30）は，目的二分論を採用していると考えられているが，目的二分論は，審査基準の選択において立法事実についての立法者の判断をどの程度尊重すべきかを考慮するものである。したがって、立法事実についての立法者の判断をどの程度尊重すべきかという問題は，いかなる基準で合憲性を判断するかの問題とは無関係であるとしている点で，誤りである。