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(2814A) 《被担保債権額》
※←　抵当権者は，債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について，他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する（民法369条1項）。
※←　抵当権成立要件として，被担保債権の存在，被担保債権を担保するため不動産につき抵当権設定契約を締結したことが挙げられる。そして，抵当権の附従性の性質から被担保債権を消滅させたときに抵当権は消滅する。

(2814B) 《不履行後の果実》
※←＝　抵当権は，その担保する債権について不履行があったときは，その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ（民法371条）。
※←371条の条文は抵当権の効力を定める条文なので，抵当権は不履行後の果実に及ぶ。この条文は，抵当権の効力が不動産収益執行開始後の天然果実と法定果実に及ぶことを明確にしている。

(2814C) 《代価弁済》
※←　抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が，抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは，抵当権は，その第三者のために消滅する（民法378条）。
※←　「請求に応じて」とあるように，請求を受けた第三者は必ずその請求に従わなければならないわけではない。

(2814D) 《抹消登記》
※←　抵当権は，債務者及び抵当権設定者に対しては，その担保する債権と同時でなければ，時効によって消滅しない（民法396条）。
※←　第一順位の抵当権者の被担保債権が弁済により消滅すると抵当権は消滅し，第一順位の抵当権登記は法律上無効となる。しかし，その第二順位の抵当権を実行した場合に優先弁済を受ける場合に事実上の障害となる可能性がある。そこで，第二抵当権者は抵当権に基づく妨害排除請求として第一順位の抵当権の抹消登記手続きを求めることができる。