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(2833A) 《解除》
※←　（民法条項）。遺産分割協議が成立した後，当該協議で定めた債務を共同相続人の一人が履行しない場合にも，債務不履行を理由として遺産分割協議を解除することができない（最判平1.2.9）。
※←　遺産を巡る対内的安定性を確保するため。

(2833B) 《合意解除》
※←　（民法条項）。共同相続人全員でする合意解除は認められる（最判平2.9.27）。　共同相続人全員でする合意解除は，債務不履行解除と異なり，対内的安定性が害されるおそれがないためである。

(2833C) 《金銭の保管》
※←　（民法条項）。相続人は，遺産分割までの間は，相続開始時に存した金銭を相続財産として保管している他の相続人に対して，自己の相続分に相当する金銭の支払を求めることができない（最判平4.4.10）。　金銭について，その所有権者と占有者は特段の事情なき限り一致する（最判昭39.1.24）。　しかし，相続財産として金銭を保管（占有）する場合，遺産共有の形で有体物たる金銭は共同相続人に帰属するので，金銭の所有者と占有者は一致しない。

(2833D) 《連帯債務の相続》
※←　（民法条項）。連帯債務者の一人が死亡し，その相続人が数人ある場合，その承継した範囲において，本来の債務者とともに連帯債務者となる(最判昭34.6.19)。　これは，債権者の保護と，相続人の過剰な負担防止の調和から導かれると解する。　本件では，Ａが死亡, D, Eが相続したことにより，ＥはＡの連帯債務400万円のうち，相続分200万円の限度で，Ｂとともに連帯債務者となる(899条, 900条１号)。したがって，ＣはＥに対して400万円の債務全額の支払を請求することはできない。

(2833E) 《共有物分割》
※←　（民法条項）。遺産分割前において共同相続人の一人から遺産を構成する不動産の共有持分権を譲り受けた第三者は，共同所有状態を解消するために遺産分割審判ではなく，共有物分割訴訟による必要がある(最判昭50.11.7)。
※←　共有持分権を譲り受けた者は，相続人もしくはこれに準ずる者ではない以上，遺産分割協議で予定された者でないから。