Ａは，Ｂの代理人と称して，Ｃとの間でＢの所有する土地をＣに売却する旨の売買契約を締結したが，実際にはその契約を締結する代理権を有していなかった。

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(L0204A) 《選択権》
※←　他人の代理人として契約をした者は，自己の代理権を証明したとき，又は本人の追認を得たときを除き，相手方の選択に従い，相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う（民法117条1項）。
※←　（最判昭平）。

(L0204B) 《追認》
※←　他人の代理人として契約をした者は，自己の代理権を証明したとき，又は本人の追認を得たときを除き，相手方の選択に従い，相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う（民法117条1項）。
※←　（最判昭平）。

(L0204C) 《無権代理人の責任》
※←　前項の規定は，次に掲げる場合には，適用しない。
�A 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかったとき。ただし，他人の代理人として契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたときは，この限りでない（民法117条2項2号但）。
※←　（最判昭平）。

(L0204D) 《相続》
※←　他の共同相続人全員が共同して無権代理行為を追認しない限り，無権代理人の相続分に相当する部分も，当然に有効となるものではない。
※←　（民法113条）。
※←　無権代理人が本人を共同相続した場合には、共同相続人全員が共同して無権代理行為を追認しない限り、無権代理人の相続分に相当する部分においても、無権代理行為が当然に有効となるものではない（最判平5.1.21）。
(R0205B) 《本人が死亡 → 無権代理人が共同相続》
　本件売買契約の締結後に本人Ｂが追認も追認拒絶もしないまま死亡し，無権代理人Ａが他の相続人Ｃと共にＢを相続した場合，Ｃが追認しない限り，本件売買契約は，Ａの相続分に相当する部分において,も，当然には有効とならない（最判平5.1.21）。

(L0204E) 《相続》
※←　無権代理人の行為の追認を拒絶することができる。
※←　（民法113条）。
※←　本人が無権代理人の家督を相続した場合、被相続人の無権代理行為は、右相続により当然には有効となるものではない（最判昭37.4.20）。
(R0205C) 《無権代理人が死亡 → 本人が単独相続》
　本件売買契約の締結後に無権代理人Ａが死亡し，本人ＢがＡを単独で相続した場合でも，本件売買契約は当然には有効とならない（最判昭37.4.20）。