民法

◎	消費貸借に関する次の１から５までの各記述のうち，誤っているものを２個選びなさい。 (2425) 【消費貸借】 **
１	消費貸借は，金銭でない物を目的としてすることができる。正しい。 (2425A) 《目的物》　【消費貸借】は，金銭でない物を目的としてすることができる（民法587条）。 (2425A) 《目的物》 ※←　消費貸借は，当事者の一方が種類，品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって，その効力を生ずる（民法587条）。 ※←　民法587条は「金銭その他の物」と規定しており，金銭でない物が目的となることを前提としている。
２	無利息の金銭消費貸借は，書面でしなければ，その効力を生じない。誤り。 (2425B) 《書面》　無利息の【金銭消費貸借】は，書面で［しなくても］，その効力を［生じる］（民法446条2項、587条）。 (2425B) 《書面》 ☆←　保証契約は，書面でしなければ，その効力を生じない（民法446条2項）。
３	返還の時期が暦日である確定期限で定められた場合，貸主が目的物の返還を請求する訴訟において，原告は，その期限の到来を主張する必要があるが，暦日の到来は顕著な事実であるから証明することを要しない。正しい。 (2425C) 《確定期限》　返還の時期が暦日である確定期限で定められた場合，貸主が目的物の返還を請求する訴訟において，原告は，その期限の到来を主張する必要があるが，暦日の到来は顕著な事実であるから証明することを要しない（民訴法179条）。 (2425C) 《確定期限》 ※←　裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実は，証明することを要しない（民訴法179条）。 ※←　確定期限については，到来により利益を受ける原告の側で主張しなければならないが，顕著な事実（民訴179条）として証明が不要である。
４	判例によれば，消費貸借により貸し渡された金銭の返還義務を目的として準消費貸借をすることは許されない。誤り。 (2425D) 《準消費貸借》　【消費貸借】により貸し渡された金銭の返還義務を目的として【準消費貸借】をすることは［許される］（大判大2.1.24）。 (2425D) 《準消費貸借》 ※←　準消費貸借の目的は、弁済期にある旧債務を弁済期の遅い新債務に切り替えることで新たな信用を供与するものだから（大判大2.1.24）。
５	消費貸借の予約は，その後に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは，その効力を失う。正しい。 (2425E) 《消費貸借の予約》　【消費貸借】の予約は，その後に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは，その効力を失う（民法589条）。 (2425E) 《消費貸借の予約》 ※←＝　消費貸借の予約は，その後に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは，その効力を失う（民法589条）。
	正　解　　　２　　　４