民法

◎	親権及び子の財産の管理権に関する次のアからオまでの各記述のうち，誤っているものを組み合わせたものは，後記１から５までのうちどれか。 (2434) 【親権・子の財産の管理権】 **
ア	父が長期間海外にいて事実上親権を行うことができないときは，母が単独で親権を行うことができる。正しい。 (2434A) 《共同親権》　父が長期間海外にいて事実上親権を行うことができないときは，母が単独で【親権】を行うことができる（民法818条3項但）。 (2434A) 《共同親権》 ※←　親権は，父母の婚姻中は，父母が共同して行う。ただし，父母の一方が親権を行うことができないときは，他の一方が行う（民法818条3項但）。
イ	子の出生前に父母が協議上の離婚をするときは，その協議で，その一方を，子の出生後の親権者と定めなければならない。誤り。 (2434B) 《出生前の離婚》　子の出生前に父母が協議上の離婚をするとき，［親権は，母が行う：×~~その協議で，その一方を，子の出生後の親権者と定めなければならない~~］（民法819条3項）。 (2434B) 《出生前の離婚》 ※←　子の出生前に父母が離婚した場合には，親権は，母が行う。ただし，子の出生後に，父母の協議で，父を親権者と定めることができる（民法819条3項）。
ウ	遺言者が特定の財産を未成年者に遺贈するとともに，その遺言で，受遺者に対して親権を行う父母のうち父には当該財産を管理させない旨の意思を表示した場合，遺贈の効力発生後，父は遺贈された財産の管理権を有しない。正しい。 (2434C) 《遺贈》　遺言者が特定の財産を未成年者に遺贈するとともに，その遺言で，受遺者に対して親権を行う父母のうち父には当該財産を管理させない旨の意思を表示した場合，遺贈の効力発生後，父は遺贈された財産の管理権を有しない（民法830条1項）。 (2434C) 《遺贈》 ※←　無償で子に財産を与える第三者が，親権を行う父又は母にこれを管理させない意思を表示したときは，その財産は，父又は母の管理に属しないものとする（民法830条1項）。
エ	親権を行う父又は母は，やむを得ない事由があるときは，家庭裁判所の許可を得て，親権又は管理権を辞することができる。正しい。 (2434D) 《辞任》　親権を行う父又は母は，やむを得ない事由があるときは，家庭裁判所の許可を得て，【親権】又は管理権を辞することができる（民法837条1項）。 (2434D) 《辞任》 ※←＝　親権を行う父又は母は，やむを得ない事由があるときは，家庭裁判所の許可を得て，親権又は管理権を辞することができる（民法837条1項）。
オ	特別養子縁組に係る養子は，未成年である間は養親の親権に服するが，実方の父母の相続人としての地位を失わない。誤り。 (2434E) 《特別養子縁組》　特別養子縁組に係る養子は，未成年である間は養親の【親権】に服するが，実方の父母の相続人としての地位を［失なう］（民法817条の9本文）。 (2434E) 《特別養子縁組》 ※←　養子と実方の父母及びその血族との親族関係は，特別養子縁組によって終了する。ただし，第817条の3第2項ただし書に規定する他の一方及びその血族との親族関係については，この限りでない（民法817条の9本文）。 ※←　特別養子縁組は，実方の血族との親族関係が終了する縁組を言う（民817条の2第1項）。
	１　アウ　　　２　アエ　　　３　イエ　　　４×イオ　　　５　ウオ