民法

◎	請負に関する次のアからオまでの各記述のうち，誤っているものを組み合わせたものは，後記１から５までのうちどれか。 (2427) 【請　負】 **
ア	請負が請負人の責めに帰することができない事由によって履行の中途で終了したときは，請負人は，既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。誤り。 (2427A) 《報酬》　【請負】が請負人の責めに帰することができない事由によって履行の中途で終了したとき，請負人は，既にした履行の割合に応じて《報酬》を請求することが［できない］（民法632条）。 (2427A) 《報酬請求権》 ※←　請負は，当事者の一方がある仕事を完成することを約し，相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって，その効力を生ずる（民法632条）。 ※←　請負においては，仕事の完成がなければ報酬請求権は生じない（民632条）。
イ	請負人が仕事を完成しない間は，注文者は，いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。正しい。 (2427B) 《注文者の解除》　請負人が仕事を完成しない間は，注文者は，いつでも損害を賠償して契約の【解除】をすることができる（民法641条）。 (2427B) 《注文者の解除》 ※←＝　請負人が仕事を完成しない間は，注文者は，いつでも損害を賠償して契約の【解除】をすることができる（民法641条）。 ※←　無用になった仕事を続けさせて注文者のコストを大きくする必要はないから。
ウ	注文者が死亡したときは，請負契約は終了する。誤り。 (2427C) 《注文者の死亡》　注文者が死亡したとき，請負契約は終了［しない］（民法653条1号）。 (2427C) 《注文者の死亡》 ※←　委任は，次に掲げる事由によって終了する。 ① 委任者又は受任者の死亡（民法653条1号）。 ※←　請負は、当事者の個人的な信頼関係を基礎とする契約ではないから。
エ	請負における仕事の目的物に瑕疵がある場合であっても，注文者は，その瑕疵が重要でなく，その修補に過分の費用を要するときは，瑕疵の修補を請求することができない。正しい。 (2427D) 《瑕疵の修補》　【請負】における仕事の目的物に瑕疵がある場合でも，注文者は，その瑕疵が重要でなく，その修補に過分の費用を要するときは，《瑕疵の修補》を請求することができない（民法634条1項但）。 (2427D) 《瑕疵の修補》 ※←　仕事の目的物に瑕疵があるときは，注文者は，請負人に対し，相当の期間を定めて，その【瑕疵の修補】を請求することができる。ただし，瑕疵が重要でない場合において，その修補に過分の費用を要するときは，この限りでない（民法634条1項但）。
オ	仕事を完成して目的物を引き渡すことを内容とする請負において，注文者による瑕疵修補の請求は，目的物を引き渡した時から１年以内にしなければならない。正しい。 (2427E) 《除斥期間》　仕事を完成して目的物を引き渡すことを内容とする【請負】において，注文者による瑕疵修補の請求は，目的物を引き渡した時から１年以内にしなければならない（民法637条1項）。 (2427E) 《除斥期間》 ※←　前3条の規定による瑕疵の修補又は損害賠償の請求及び契約の解除は，仕事の目的物を引き渡した時から１年以内にしなければならない（民法637条1項）。
	１　アイ　　　　　　２×アウ　　　　　　３　イオ　　　　　　４　ウエ　　　　　　５　エオ