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(Y0210A) 《催告》
※←　解除権の行使について期間の定めがないときは，相手方は，解除権を有する者に対し，相当の期間を定めて，その期間内に解除をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において，その期間内に解除の通知を受けないときは，解除権は，消滅する（民法547条）。
※←　（最判昭平）。

(Y0210B) 《無催告解除》
※←　次に掲げる場合には，債権者は，前条の催告をすることなく，直ちに契約の解除をすることができる。
�C 契約の性質又は当事者の意思表示により，特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において，債務者が履行をしないでその時期を経過したとき（民法542条1項4号）。
※←　商人間の売買において，売買の性質又は当事者の意思表示により，特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において，当事者の一方が履行をしないでその時期を経過したときは，相手方は，直ちにその履行の請求をした場合を除き，契約の【解除】をしたものとみなす（商法525条）。
※←　（最判昭平）。

(Y0210C) 《一部不能》
※←　次に掲げる場合には，債権者は，前条の催告をすることなく，直ちに契約の解除をすることができる。
�B 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において，残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき（民法542条1項3号）。
※←　（最判昭平）。

(Y0210D) 《目的物の損傷》
※←　解除権を有する者が故意若しくは過失によって契約の目的物を著しく損傷し，若しくは返還することができなくなったとき，又は加工若しくは改造によってこれを他の種類の物に変えたときは，解除権は，消滅する。ただし，解除権を有する者がその解除権を有することを知らなかったときは，この限りでない（民法548条但）。
※←　548条は，履行がされた後に目的物が解除権者の故意・過失によって損傷等を受けた場合を扱うものであるが，改正前民法548条１項における「行為若しくは過失」による目的物の滅失等の規律を，「故意若しくは過失」と文言表記を改めたうえで，新たに但書を追加するものである（改正前民法548条１項自体は，同項に該当する事態が生じたときには，債権者は解除権を放棄したものと評価できるという理解に出たものであった）。但書を追加した理由は，解除権者の故意・過失による滅失等の場合に解除権を消滅させるのは，滅失等の行為が解除権を放棄する行為であると評価できるからであるところ，解除権を放棄したと評価できるためには，その前提として，解除権を有する者が解除権を有していることを知っていたのでなければならないと考えられたことによる。改正前民法548条２項は，とくに規定をしなくても，その内容は１項の規定より明らかであるゆえに，削除された。
(S5416C) 《解除権の消滅》
　売買契約において，既に目的物を他に売却した買主も，売主の債務不履行を理由として契約を解除することが［できる］（民法548条）。

(Y0210E) 《原状回復》
※←　第1項本文の場合において，金銭以外の物を返還するときは，その受領の時以後に生じた果実をも返還しなければならない（民法545条3項）。
545条３項は，金銭以外の物を返還する場合には，現物とともに，その受領の時以降にその物から生じた果実を返還しなければならないとして，本条２項と平仄を合わせたものである。なお，改正前民法下での判例は現物の使用利益をも返還しなければならないとしているが（最三小判昭34. 9 .22，最二小判昭51. 2 .13），本条は，使用利益の返還については明文の規定を設けず，解釈にゆだねている。