(2602) 【詐欺又は強迫】

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正しい。
(2602A) 《第三者の詐欺》
　相手方に対する意思表示について第三者が【詐欺】を行った場合に，相手方がその事実を知っていたとき，その意思表示を取り消すことができるが（民法96条2項），第三者が【強迫】を行った場合においては，相手方がその事実を知らなかったときでも，その意思表示を取り消すことができる。

誤り。
(2602B) 《取消後の第三者》
　Ａがその所有する不動産をＢに売却する旨の契約が締結され，これに基づきＡからＢへの所有権移転登記がされた場合に，Ａが【詐欺】を理由としてその意思表示を取り消したとき，その旨の登記をしなければ，その取消し後にＢからその不動産を買い受けたＣに対抗することができない。　同様に，Ａが【強迫】を理由としてその意思表示を取り消したときには，その旨の登記を［しなければ］，その取消し後にＢからその不動産を買い受けたＣに対抗することが［できない］（大判昭17.9.30）。

誤り。
(2602C) 《強迫》
　【強迫】による意思表示の取消しが認められるためには，表意者が完全に意思の自由を失って意思表示をしたことを［要しない］（最判昭33.7.1）。

正しい。
(2602D) 《二重効》
　相手方に欺罔された結果，法律行為の要素に錯誤が生じ，その錯誤により意思表示をした場合，【錯誤】による意思表示の無効を主張することも，【詐欺】による意思表示の取消しをすることもできる。

正しい。
(2602E) 《他の連帯債務者》
　連帯債務者の一人であるＡが代物弁済をした後，その代物弁済を【詐欺】を理由として取り消した場合（民法96条3項），他の連帯債務者は，Ａの代物弁済が【詐欺】によるものであることを知らなかったときでも，債権者に対し，代物弁済による債務の消滅を主張することはできない（最判昭49.9.26）。