民法

◎	Ａ（30歳）Ｂ（30歳）夫婦が，婚姻していないＣ（42歳）とＤ（42歳）の間の子Ｅ（4歳）を養子にする場合において，ＣはＥを認知し，ＤはＥの親権者であることを前提として，次のアからオまでの各記述のうち，誤っているものを組み合わせたものは，後記１から５までのうちどれか。 (2632) 【養子縁組】　Ａ（30歳）Ｂ（30歳）夫婦が，婚姻していないＣ（42歳）とＤ（42歳）の間の子Ｅ（4歳）を養子にする場合において，ＣはＥを認知し，ＤはＥの親権者である。
ア	ＡＢ夫婦がＥとの間で普通養子縁組をする場合においては，Ｄの承諾を得るとともに，家庭裁判所の許可を得る必要があるが，Ｃの同意を得る必要はない。正しい。 (2632A) 《15歳未満》　ＡＢ夫婦がＥとの間で【普通養子縁組】をする場合においては，Ｄの承諾を得るとともに（民法797条1項），家庭裁判所の許可を得る必要があるが（民法798条本文），Ｃの同意を得る必要はない。 (2632A) 《15歳未満》 ※←　養子となる者が15歳未満であるときは，その法定代理人が，これに代わって，縁組の承諾をすることができる（民法797条1項）。 ※←　法定代理人とは，親権者，後見人である。Ｅは４歳であり代諾が必要であるところ，ＤはＥの親権者であるから，Ｄの代諾が必要である。また，Ｃは監護権者，又は親権を停止されている者であるという事情はないので，Ｃの同意は必要ない(797条2項参照）。　また，Ｅは未成年者であり，Ａ及びＢの直系卑属ではないから，798条本文により，家庭裁判所の許可が必要である。
イ	ＡＢ夫婦とＥとの間で特別養子縁組を成立させるためには，夫婦がともに養親とならなければならず，ＡとＥとの間でのみ特別養子縁組を成立させることはできない。正しい。 (2632B) 《特別養子縁組》　ＡＢ夫婦とＥとの間で【特別養子縁組】を成立させるためには，夫婦がともに養親とならなければならず，ＡとＥとの間でのみ【特別養子縁組】を成立させることはできない（民法817条の3第2項）。 (2632B) 《特別養子縁組》 ※←　夫婦の一方は，他の一方が養親とならないときは，養親となることができない。ただし，夫婦の一方が他の一方の嫡出である子（特別養子縁組以外の縁組による養子を除く）の養親となる場合は，この限りでない（民法817条の3第2項）。
ウ	ＡＢ夫婦がＥとの間で普通養子縁組をする場合であっても，ＡＢ夫婦がＥの親権者となるためには，親権者の変更について家庭裁判所の許可を得なければならない。誤り。 (2632C) 《親権者》　ＡＢ夫婦がＥとの間で【普通養子縁組】をする場合でも，ＡＢ夫婦がＥの親権者となるためには，親権者の変更について家庭裁判所の許可を［得る必要はない］（民法818条2項）。 (2632C) 《親権者》 ※←　子が養子であるときは，養親の親権に服する（民法818条2項）。
エ	ＡＢ夫婦がＥとの間で普通養子縁組をした場合においては，ＤＥ間の親族関係は存続するが，ＣＥ間の親族関係は終了する。誤り。 (2632D) 《二重の親子関係》　ＡＢ夫婦がＥとの間で【普通養子縁組】をした場合においては，ＤＥ間の親族関係は存続するし，ＣＥ間の親族関係も［存続する］（民法809条）。 (2632D) 《二重の親子関係》 ※←　養子は，縁組の日から，養親の嫡出子の身分を取得する（民法809条）。 ※←　実親との親子関係も残り，養親との二重の親子関係が成立する。
オ	ＡＢ夫婦とＥとの間で特別養子縁組が成立した場合においては，ＣＥ間及びＤＥ間の親族関係は終了する。正しい。 (2632E) 《親族関係の終了》　ＡＢ夫婦とＥとの間で【特別養子縁組】が成立した場合においては，ＣＥ間及びＤＥ間の親族関係は終了する（民法817条の9本文）。 (2632E) 《親族関係の終了》 ※←　養子と実方の父母及びその血族との親族関係は，特別養子縁組によって終了する。ただし，第817条の3第2項ただし書に規定する他の一方及びその血族との親族関係については，この限りでない（民法817条の9本文）。
	１　アイ　　　　　　２　アオ　　　　　　３　イエ　　　　　　４×ウエ　　　　　　５　ウオ