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(2924A) 《消滅時効》
※←　（民法条項）。
※←　商事契約の解除による原状回復は商事債務であり，その履行不能による損害賠償義務も同様に商事債務と解すべきである。そして右損害賠償義務は本来の債務の物体が変更したにとどまり，その債務の同一性に変りはないのであるから，商事取引関係の迅速な解決のため短期消滅時効を定めた立法の趣旨からみて，右債務の消滅時効は。本来の債務の履行を請求しうる時から進行を始めるものと解すべきである（最判昭35.11.11）。
※←　原状回復義務が履行不能になった場合の消滅時効は，本来の履行を請求しうる時から進行する。

(2924B) 《同時履行》
※←　第533条の規定は，前条の場合について準用する（民法546条）。
※←　民法546条は，同時履行の抗弁権について規定した533条を解除の原状回復の場合に準用する旨を規律しているので，売主の代金返還債務（利息含む）と買主の目的物返還債務は，同時履行の関係に立つ。

(2924C) 《解除》
※←　当事者の一方がその債務を履行しない場合において，相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし，その期間内に履行がないときは，相手方は，契約の解除をすることができる。ただし，その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは，この限りでない（民法541条）。
※←　民法541条の催告の内容は，一定の期日または一定の期間内に履行すべき旨を示せば足り，履行がなければ解除する旨を通知する必要はない（大判大6.6.27）。

(2924D) 《解除》
※←　（民法541条）。
※←　買主が，代金を支払う意思を明確に拒絶していることは，代金支払い債務が，単なる遅滞ではなく，履行不能に至ったものと解するべきである。そして，履行不能の場合には，相当期間の経過等が問題とならない以上，相当期間の経過の有無を問わず，解除をすることができる。

(2924E) 《履行》
※←　（民法541条）。
※←　債務不履行解除は，債務者が債務の本旨に従った履行をしない場合にのみ認められるものであり，たとえ，解除権を取得した後であっても，債務者が，本旨履行をした場合には，債務不履行となるべき事情が存在しない。このことから，債務者の履行により，解除権行使の基礎がなくなる。したがって，債権者は，解除権を行使することはできないものと解される。